国語
本校の国語教育がめざすもの
みなさんは、何のために国語を学ぶのでしょうか。「読み・書き・そろばん」という言葉が示すように、国語はこの人間社会で生きていくために重要な科目であるということは誰もが知っていながらも、なぜ学ぶのか、どのように学ぶのか、といったことは漠然としているのではないでしょうか。
国語という科目では、「ことばのはたらきを学ぶことを通して、人間として今いるこの世界を認識し、自分自身がいきいきと人生を生きる力を身につけていく」科目であるととらえています。ことばは、ただ単に物事やメッセージを伝え合うだけの道具ではありません。ことばは、他人の心のひだや、自分のもやもやした気持ちに形を与え、自分自身を認識させてくれる大切なものです。ことばがあるからこそ、自分の心も見えるし、抽象的な思考も可能になるのです。
このような観点から、本校では「ことばの力」を「生きる力」ととらえ、「日本語」の基本を身につけると同時に、物事を豊かに感じ、現実社会の課題を認識する力を身につけてほしいと考えています。
カリキュラムの特徴
新学習指導要領に基づき、高1で「現代の国語」と「言語文化」、高2・3で「論理国語」と「文学国語」を必修授業で扱います。
高校1年
「現代の国語」では、グループでの議論や討論を通じて話すことと聞くことの力を身につけるとともに、文章に加え図表や映像で示された情報を的確にまとめ表現することから読むことと書くことの力を習得します。「言語文化」では、古典と近代以降に書かれた文章のつながりから、現代に生きる自分を見つめる力を獲得します。それぞれの文章で提示された問題を話し合い、教科書教材や課題図書を読み解きながら、古典文法や漢文訓読の基礎にも取り組むことで、日本語の特徴や発想に対する理解を深めていきます。
高校2年
「論理国語」では、現代の諸課題について論じられた説明的文章を読み解くことによって、論理的な読解と表現の方法を学びます。「文学国語」では、文学的文章を深く読み込むことによって、文学に用いられた多様な文章の技法や物語の構成を学習します。これら評論と文学とを組み合わせた精読を通じて、自ら文章を書いたりまとめたりする技術へとつなげていきます。
高校3年
「論理国語」では、古今東西のさまざまな問題を現代との関わりから考察できるようになることを目指して、各時代の批評や評論を扱います。「文学国語」では、現代の文学だけでなく現代から遠く離れた文学を読むことを通じて、時代の状況や社会の文脈と関わり合って文学という現象が成り立つことを学びます。説明的・文学的文章を広く歴史と世界との関わりにおいて互いを関連づけて読むことによって今日的課題を浮かび上がらせ、自らの問いに対する考えを見出す卒業論文の作成に取り組んでいきます。