英語

英語本校の英語教育がめざすもの

本校の英語学習の最終的な目標は、次の2つです。

・英語で書かれた文章を読み、その内容を正確に把握し、それに対する批評を英語で書けるようになること。

・プレゼンテーション能力、相手の意見を理解し、自分の意見を述べる対話能力を身につけること。

そのためには皆さんは英語の基礎力を身につけることと合わせて、常に「なぜ自分はそう考えるのか」ということを自らに問いかけることが求められます。自分の意見の根拠が説明できなければ、それを他人に理解してもらうことはできないからです。

 入試問題をクリアすることだけを近視眼的な目標に据えて英語学習に取り組むのではなく、自分自身に問いかけ、それに対して自分で答えるという内的な活動を通して、自らを開発していく力を身につけるようにしていきます。

カリキュラムの特徴

高校1年

自分が英語を実際に使う場面(高2・高3で設定されている選択授業や大学で学びたい事項、自分が参加する海外プログラム等)を具体的にイメージしてもらいながら学習に取り組みます。英語習得に必要な基礎的なトレーニング(音読、スピーチなど)を行います。高校英文法を高1修了時までにすべて習得し、英語力の向上を目指します。同時に、高1修了時には 4技能を土台とした基本的コミュニケーション能力を身につけることを目指します。

高1の英語会話の授業はクラスを半分に分けて少人数で行います。

高校2年

高2では、高1で培った力を強固にしていきながら、「より論理的なエッセイライティングが書けるようになるための基礎」を確立します。また、ディスカッションやディベートの基礎を身につけます。

選択講座では、自らの興味・関心、進路に応じた講座を設定しています。

高校3年

高3では、ある程度の長さ、まとまりを持った論理的なエッセイライティングが出来るようになることと、4技能を駆使して対話と討論が可能となる英語能力を身につけることが目標です。自分の考えを英語で表現し、社会生活において活用できる能力の基礎を身につけることを目指します。また、必修選択科目では、高校卒業後の進路やもっと先の自分の生き方を見据えて、自分に必要な英語の科目を自分で選択します。

タスク中心学習とは

本校は2006年度から2008年度までSuper English Language High Schoolに文部科学省によって指定されていました。本校が取り組んだ研究内容は、毎日の英語の授業の中で、あるいは、海外研修に向けての学習の中で、英語を使わなければ達成することが出来ないタスク(課題)に取り組ませることが、英語に対する積極性を高め、結果として理解度と定着度も高まる、ということを体系的に実証していくものです。 まず「タスク」とは何か、ということについてです。
たとえば、本校のこれまでの取り組みの中からもっともわかりやすい具体例を挙げると、海外研修で訪れた先で初めて訪れる町を知る目的で行ったオリエンテーリングがあります。最初にその町の地図とその町に関わるクエスチョンが英語で書かれたシートが渡されます。そのシートにある問題や指示(「学校の前の通りを右に曲がったところにあるファーストフード店の名前は?」「その店から3ブロック先にあるパン屋に売ってあるソーセージロールの値段を店員に聞きなさい」「郵便局に行って絵葉書一枚とそれを日本に送付するための切手を一枚買いなさい」など)に答えていくうちに町を一周する、というものです。さらに、オリエンテーリングから帰ってきたら、自分のことを家族にあてて英語で葉書を書きなさい、という課題も与えられます。このオリエンテーリング中、どの場面でどのような表現・文法を使えばいいか、ということを実感しながら生徒は自主的に英語を使っています。このように英語を読んだり英語を使って人と話をしたりしない限り、達成できない課題に取り組むことが本校が考えるタスクです。
普段の学校の授業の中での取り組みの例としては、身の回りにあるものを実際に提示しながら英語でプレゼンする、自分の好きなものについてその理由も述べながら人に説明する、ある論説文を読んでその主張に対する自分の考えを英語で述べる、などといったことをタスクと考えます。

本校で受験できる英語資格試験とその目的

本校では、英検のほか、TOEIC Bridge、GTECなどの資格試験を、校内で受験できるようにしています。現在法政大学ではすべての入学生にpre-TOEFL level 2の受験を課していますが、これについては法政大学の3付属校の中で本校が最も早く校内受験を実施し、併せて対策講座を開講しました。学校の授業と家庭学習をもとにした英語学習によって、自分の英語コミュニケーション能力が客観的な尺度でどのくらいの位置にあるかを、学校生活の中で常に検証できるような環境が整っているのです。
ところで資格試験を受験するのは、単に自分の力をチェックすることだけが目的ではありません。
結果(合否やスコア)を出して終わり、とするのではなく、本校ではその結果をデータとして蓄積し、またテストによっては学習習慣や基礎学力に関する他のデータとも照合させて、皆さんがどのような課題を抱えているのか、そしてその課題を具体的にどのように解決していくのかを、担当教員が細かく検討しています。その結果は、授業や英語教育の様ざまな取り組みにフィードバックされ、また皆さん一人ひとりの課題の克服のための明確なアドバイスにつながっています。
また、これらの英語資格試験では、英語を使って現時点であればどんなことができそうなのか、現時点からどのくらいスコアがあがると(英語力が上がると)英語を使ってできることがどのくらい広がるのか、などを知ることができますので、自分の将来の進路を考えるときに一つの指標となります。たとえば、欧米の4年制大学に入学できる、欧米の語学学校で授業についていくことができる、ホームステイができる、英語で字幕なしで映画を見ることができる、などといった具体的な言葉で自分の英語の力を知ることができるのです。
したがって、自分の将来像に照らした場合、自分はそのレベルに達しているのかいないのか、達していないのであればそのレベルまで自分はあとどのくらい努力すればいいのか、自分はどのような学習をすればいいのか、といった具体的な指標を得ることもできます。
このように、「自分で課題を与えてその目的のために英語を勉強する」ようになるためのシステムも整っているのです。

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