数学

本校の数学教育がめざすもの

よく理数系などという言葉を耳にするので、数学はどちらかというと「理科」とだけ密接な結びつきがあるようなイメージがあります。確かに数学と理科は自然科学の分野において、切っても切れない関係にありますが、だからといって理科とだけ結びつきがあるのではありません。現代ではものを売ったり買ったりする場面や、最小のコストで最大の利益を求めるようなときに、過去の実績やそれらの分析が必要とされています。データを収集・分析し、その結果を役立てていくことは、現実に行われている数学の応用の一つなのです。

ところで、これらの実践的な実社会への応用は、全て皆さんが学校で学ぶ数学が基礎となっています。十数行もかけて説明しなければならない理論を、皆さんが学ぶたった一行の式で表すこともできるのです。数学は「理系」科目をはじめとして、「自然科学」「社会科学」の様々な分野を学ぶための道具となるのです。

法政大学中学高等学校では文系・理系を問わず、高3まで数学を必修授業で受けることになります。これは、将来どのような進路を選択するにしても、物事の本質をとらえ、論理的な思考力を持って問題を解決に導いていく力、得られた答えが何を意味するかを解析できる力が必要であると考えるためです。数学を道具として、そして数学を学ぶことによって論理的な思考力を養うことで、将来自分が直面する様々な問題の解決に役立てて欲しいと考えています。

カリキュラムの特徴

中学から高校まで無駄のない効率的なカリキュラムを展開します。ただし「高2までに全カリキュラムを修了させ高3では受験対策を」ということではありません。中学のカリキュラムは中2までに終え、中3では、高校カリキュラムの一部の内容を学習します。高1でも同じ内容を繰り返し学習することで内容の定着をはかる手厚いカリキュラムになっています。高校のカリキュラムでは、一斉授業と習熟度別授業を組み合わせて着実に学力を身に付けていきます。行列・統計などの分野も含めて幅広く学習し、6年間ですべてのカリキュラムを終えることになります。

理工系、医歯薬系の進路を希望する生徒は、必修授業に加えて「数学Ⅲ」などの進学に必要な科目を、必修選択授業で受講できます。

中学1年生、中学2年生

基礎的な計算力や論理的な思考力を身につけることはもちろんのこと、何より基本的な学習習慣を身につけることに集中的に取り組みます。学校での授業と、その前後に家庭で予習・復習をしっかりと行えるようにしていきます。

中1では、週6時間の授業のうち代数(数量分野)が3時間、幾何(図形分野)が3時間です。教材は、体系数学を用います。週3時間の授業のうち、代数・幾何それぞれに1時間ずつの演習授業が組み込まれています。この時間は2人の教員が教室にいますから、演習中に分からない問題が出てきても、その場で質問をして解決することができます。

中2では、週5時間の授業のうち代数が3時間、幾何が2時間です。代数の時間は1クラスを2人の教員が担当します。皆さんの状況を見ながら、2人の教員が教室にいて授業や演習を行ったり、1クラスを2クラスに分けて授業を行ったりしていきます(具体的には担当教員がそのつど指示します)。

また、この中1・中2では特に必要とされる生徒に対しては、週に1回指名補習の時間を設け、学力定着をはかります。

中学3年生

中3からは数学A(週4時間)、数学B(週2時間)となり、高校の数学Ⅰ・数学A・数学Ⅱの一部の内容を扱います。数学Bでは習熟度別に授業が行われます。

ある調査によれば、高校生が数学で最も多くつまずく箇所が「2次関数」であるということです。この項目の中には、関数の概念、平方完成、2次方程式、2次不等式など、高校で数学を学ぶための基礎が全て凝縮されています。本校では、特にこの項目については徹底的に反復学習をし、高校数学を学ぶための基礎をしっかりと築いていきます。

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