芸術
本校の芸術(美術・音楽)教育がめざすもの
本校の美術
美術の創造活動を通して、美的体験を豊かにし、表現と鑑賞の能力を伸ばすとともに、美術を愛好する心情を養っていきます。年間を通して基礎的な「モノの見方・見え方」を学習しながら、より専門的な素材を扱い作品制作を行います。絵を描くだけではなく、工芸的要素も授業内容に組み込んでいます。自分で作ったものを普段の日常生活で実際に使用することにより、「作品制作」だけでは味わえない喜びを得る事ができます。
カリキュラムの特徴
【中1】
まずは、美術の基本となる「鉛筆デッサン」「レタリング」から始めます。これは美術の分野で必要となる観察力や構成力、バランス力などを養うことを目的としています。特に鉛筆デッサンでは見ている対象物をそのまま描き写すだけを目的とするのではなく、どうすれば「立方体」を「立方体」として2次元の画用紙に表現できるのかという考察力や理論、感じ方、空間認識力を養うこともできます。この力がこれから3年間の美術の基礎力となります。
【中2】
身近にある金属や皮革といった実材を使い作品制作に取り組みます。まずは、扱う道具に慣れることから始めます。きちんと扱うことができなければ怪我の原因になることも考えられるので、正しい使い方をしっかりレクチャーしながら作品制作に取りかかります。ただ作るのではなく、自分がどうしたいのか?ということを考えながら作品制作を進め、完成に到るまでの計画を立てる計画力や、自己表現力を身に付けます。また、それぞれの素材や作品についての歴史も学びます。同じ素材を使った作品でも文化や技法が異なれば様々な表現方法が生れていることを学び、自らの表現に結び付けることができるようにします。
【中3】
「1学期」「2学期と3学期」に分け、「2学期と3学期」では長い期間を通し1つの作品に取り組む個人の卒業制作となります。造形の要素には、形や色、素材などがあることを、作品制作を通して体験的に理解し、それらに対する感覚を育んで行きます。そして、それらの秩序の中で、自分自身の考え、気持ち、思いなどをより個性豊かにデザインに投影し、具現化できる能力を養います。そのためには日常生活の中で、日頃から素材やそのデザインなどにも興味や探究心を持ち続けている必要があります。そしてそれが個々の観察力を身に付けることにも繋がることを理解し、実践していきます。また、実際に自ら使用する事を目的とした作品制作を体験することで、自分自身がどのような形態や色に興味をもち、そのためにはどのような資料が必要なのかといった、自己認識を高め、新しい自分を発見する事につなげます。
芸術カリキュラム
1学期 | 2学期 | 3学期 | |
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中1 | デッサンⅠ | 陶板スクラッチ | デッサンⅡ |
幾何形態・立法体形・ グラデーション |
デザインの要点 技術の理解と実習 |
組みモチーフ 明暗・質感 |
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中2 | 真鍮キーホルダー | 皮革コースター | デッサン |
デザインの要点 製作工程の理解と実習 |
デザインの要点 製作工程の理解と実習 |
果物模型組合せ 画材の工夫と表現技法 空気遠近法の理解と実習 |
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中3 | 銅板レリーフ作り | 卒業記念品製作 | |
金属工芸の歴史と知識 製作工程の理解と実習 |
製作過程の理解と実習 |
本校の音楽
「芸術を理解し、愛好する」という教育理念に基づき、芸術教育としての授業を行います。実技、理論、音楽史の三分野を通じて、音楽の魅力を味わい、研究し、知識を高め、これからの動きなども想像できるようにしていきます。
「実 技」 各学年で発達段階に沿った形での実技を行っていきます。歌唱は必ず行い、 必要に応じてリコーダー、ギター、打楽器、ピアノなどを使ってアンサンブル形式の演奏も、適宜行っていきます。また、年度末に行われる「合唱発表会」の選曲と練習を2学期以降に取り入れていきます。
「理 論」 実技で取り上げた曲目の楽譜の表し方や、形式などを研究し、楽譜に対してより身近な感覚で接することが出来るようにします。簡単な楽典はもちろん、コードネームなどの曲の構造を学び、簡単な作曲が自分で出来るように展開します。
「音楽史」 単なる「鑑賞」にするのではなく、曲の成り立ちや背景などを学び「一歩踏み込んだ鑑賞」を行います。モーツァルトやベートーヴェンといった大作曲家には、名曲の影にドラマチックな「何か」が隠されています。その「何か」を自分なりに発見して研究してみます。
カリキュラムの特徴
中学1年生、中学2年生
小学校で学んだ音楽授業を振り返り、しっかり再確認をします。そして「中学の音楽とは何か?」を考えます。小学校より身体も成長し、知識も増えると、きっと音楽の視野も広がります。中学校で出来る音楽の可能性をまず最初にイメージすることから始めます。
そして次にいよいよ「実技」に入ります。まずは「法政大学校歌」を歌い、学校の一員になった意識を持ちます。しかしこの時期には男子の変声など、歌うことへの様々な障害があります。よって無理をせずに、まずは「歌を楽しむこと」「音楽に正直にまっすぐ向き合うこと」を心がけましょう。きっと肩の力の抜けた、自然な歌い方が出来るでしょう。楽器演奏については、アルトリコーダーを使用して、様々な演奏を行います。ソプラノリコーダーとは違う音色に触れて、二重奏などアンサンブルに意欲的に取り組みましょう。
音符・楽譜・音楽記号についてはわかりづらいことが多いのですが、理論に偏らないようにバランス良く、実技とリンクをさせる形で学んでいきます。
中学3年生
この年代になると音楽についても関心が広がり、学校だけではなく、テレビやインターネットから音楽を自分で自然に求めるようになります。日本だけでなく外国の様々な音楽にも興味を持つことでしょう。そして自然に好きなミュージシャンが出来ます。クラシックだけでなく時には歌謡曲やポピュラー音楽を取り入れることも行います。そしてギターを使って、今までとは違う演奏を目指します。例えば歌やリコーダーは、いわゆる「メロディー演奏」でしたが、これからは自分で伴奏(コード)を弾いて、それにあわせて歌うことも出来るわけです。
一方で「音楽史」もしっかり学びます。この世にこれだけの音があるのは、数々の偉大なる作曲家が残した歴史があるからです。時代ごとにしっかりと名曲を「心」で聴き、しっかり作曲者の心と自身の心を結びつけられるようにします。